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1.診察担当医の紹介 (クリックするとさらに詳しい情報がございます)
チーフ 助教 永井 俊太郎
スタッフ 助教 藤田 逸人
スタッフ 助教 貞苅 良彦
スタッフ 臨床助教 永吉 絹子
2.扱う疾患
A) 大腸・小腸の腫瘍性疾患
(大腸癌、腺腫、家族性大腸腺腫症、悪性リンパ種、GIST、カルチノイドなど)
B) 炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)
C) その他(結腸憩室炎、腸管瘻、腸管狭窄、腸管穿孔・腹膜炎、肛門疾患など)
3.下部消化管外科の概要
 下部消化管グループ(消化管外科I)では、大腸癌を中心とした大腸・小腸の腫瘍性疾患や潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患の外科治療を中心に診療を行っています。各疾患の治療方針に関しては、各種ガイドラインを基本にし、消化管内科・腫瘍内科と連携をとりながら個々の患者様に適した治療法を検討しております。
 患者さんにとってどの治療法が最も適しているのかを常に考え各種疾患の治療を行っています。基本方針として、傷が小さく・術後の回復の早いなど患者さんの負担の少ない腹腔鏡手術の施行に努めています。当科では、1993年に52歳女性の早期結腸癌に対して初めて内視鏡手術を行い、徐々に進行結腸癌や直腸癌にも適応を拡大し、現在は大腸全摘を含め多くの手術で腹腔鏡手術を行っています。
4.主な取り扱い疾患
A) 大腸がん
 大腸がんは、日本人の生活習慣の欧米化や高齢化に伴い増加しており、2008年には大腸がんと診断された方はがん全体の2番目でした(男性3位、女性1位、国立がんセンターホームページより)。大腸がんの治療法には、手術治療、内視鏡的治療、抗がん剤による化学療法、放射線療法があり、がんの進行度(ステージ)によって決まっています。大腸がんにかかった場合、ステージを決めるための検査を受けて、正しい情報を基に最もふさわしい治療法を選ぶことが大切です。大腸がんの治療効果は、がんを完全に取り除くこと(切除)が最も高く、内視鏡切除が出来る早期のがんや切除できない高度に進行したがんを除いて、がんのある大腸とリンパ節を切除する手術治療が選択されます。大腸自体は1.5-2mと長く、ある程度切除しても、水分吸収や排便機能などは保たれ、通常は大きな後遺症は残りません。がんが肛門に近い場合や自律神経など周囲へ浸潤していた場合は、切除により永久人工肛門になったり、頻便漏便などの排便機能障害が残ったり、排尿性機能障害が発生する場合があります。
 当科での大腸がん手術は、他の臓器への浸潤や大きながん、腸閉塞を伴った場合などを除き、基本的に腹腔鏡手術で行っています。手術が必要で腹腔鏡手術が可能と判断される大腸癌に対しては、どの部位・進行度においても腹腔鏡手術を行っています。粘膜内の早期大腸癌や良性のポリープは内視鏡的切除が行われますが、内視鏡で取ることが困難な場合も、腹腔鏡手術の良い適応となります。腹腔鏡手術では、通常翌日には歩行や飲水は可能となり、3日目には食事摂取が開始され、7日目には退院可能となります。術後の横行結腸癌手術患者さんの外貌写真を示します。腹腔鏡手術では、通常5mmから1cm程度の5か所の傷から器械を入れて手術を行い、がんの大きさに合わせ3-6cm程度の創から癌を取り出します。大腸がんの手術成績とも言える患者さんの術後再発率と全生存率は、全国平均と比べ遜色のないもので、積極的に最新の手技・工夫を導入し、安全で確実な手術を心がけています。

 自然肛門の温存が問題となる直腸がん(上部直腸がんRaと下部直腸がんRb)に対しては、低位前方切除やISR(肛門括約筋を部分に切除し、肛門とS状結腸をつなぎます。)などで、自然肛門の温存に努めています。腫瘍の位置や大きさ・進行度により異なりますが、術前抗がん剤治療や放射線治療も組合せることで、直腸がん・肛門管がんの自然肛門温存率は、2008年以降80%前後となっています。また自律神経を傷つけない手術を行い、排尿機能と性機能の温存を行っています。これらの機能温存手術にも、腹腔鏡の拡大視効果(小さなものがカメラで拡大して良く見えること)と角度のある視野(開腹しての手術では、直接目ではっきり見えない体の部分が良く見える)が、有効になります。進行した肛門に近い直腸がんでは、直腸横の側方リンパ節郭清を腹腔鏡で行い、局所での再発の減少に努めています。

 術後は、リンパ節へ転移があるステージIIIと再発のリスクの高いステージII(脈管浸潤陽性・腸閉塞例など)の患者さんには、抗がん剤による補助化学療法を施行して、がんの再発予防に努めています。大腸がんの肝臓や肺への転移のあるステージIVやがんの再発に対しても、腫瘍内科と協力して抗がん剤による化学療法と組み合わせながら、可能な限り切除を施行しています。切除のできない大腸がんの患者さんには、血液・腫瘍内科と協力し全身化学療法・分子標的治療を施行して、生存期間の延長に努めています。
左: 横行結腸癌の
腹腔鏡手術術後
右: 腹腔鏡手術
B) 家族性大腸腺腫症 (Familial adenomatous polyposis, FAP)
 家族性大腸腺腫症(FAP)は、がんの発生を抑制しているAPC遺伝子の異常が原因で、大腸に多数のポリープ(腺腫)ができる疾患で、放置するとポリープから大腸がんが発生します。10代から大腸がんできる可能性があり、40歳代で50%、60歳代では100%近くがんが発生するため、20歳代を目安にがんが出来る前に予防的に大腸の全て切除することが勧められています。
 当科では、直腸下部の癌の合併などを除いて、腹腔鏡手術による大腸の全摘出と自然肛門の温存を基本手術としています。肛門を温存するための再建法として、IACA(回腸Jパウチ肛門管吻合、がん発生の母地となる直腸粘膜が2p程度残ります)またはIAA(回腸Jパウチ肛門吻合、より徹底的に直腸粘膜を切除します)を行っています。通常は、一時的な人工肛門は作製していません。良性の疾患で若い患者さんが多いことから、より低侵襲で傷の目立たない手術が望まれます。以前は6か所の傷で腹腔鏡手術を行ってきましたが、臍部に置いた小さな穴から行う単孔式腹腔鏡手術の手技を導入し、最小限の創で手術を行っています。下は、手術後の外貌写真の比較です。
左: 以前の腹腔鏡大腸
全摘術の術後
右: 単孔式手技導入後の
大腸全摘術の術後
C) 腸管GIST (Gastrointestinal stromal tumor、消化管間質腫瘍)
 GISTは頻度の少ない稀少腫瘍で、大腸がんなど粘膜(腸管の内側の表面を覆うもの)から生じるものと異なり、胃・小腸・大腸など消化管の粘膜の下から発生する腫瘍「粘膜下腫瘍」の一つです。発生部位は異なりますが、悪性度が高い場合はがんと同様に転移をしたり、切除後に再発したりします。2p以上のGISTは治療の適応となりますが、切除可能な腸管GISTの治療は手術による切除が基本です。
 当科では腸管GISTに対しても、腫瘍が大きくない場合は腹腔鏡手術を基本にしています。腫瘍が大きな場合や切除が難しく他の正常組織も切り取る必要がある場合などは、開腹手術で行うか、イマチニブと呼ばれる分子標的薬による治療と手術を組み合わせて行う場合があります。切除した後も再発のリスクが高いと判断されれば、術後にイマチニブによる治療を一定期間行っています。
イマチニブ投与と腹腔鏡手術で肛門を温存した直腸GISTの術前画像
D) 潰瘍性大腸炎 (Ulcerative colitis, UC)
 潰瘍性大腸炎(UC)は、大腸粘膜の表面がはがれたり(びらん)、粘膜自体が欠損する(潰瘍)、原因不明の炎症性の病気です。主な治療は薬による内科的治療ですが、薬の効果が乏しい重症の場合、穿孔(腸の壁に穴があいて腹膜炎になること)・大量の出血・大腸がんの発生などの合併症が起きた場合、副作用や社会的理由で薬による治療を続けられなくなった場合には、手術による治療が行われます。手術では原則的に大腸を全て取り除きますが、肛門機能の悪い高齢者などでは小腸で人工肛門を作る手術、それ以外では自然肛門を温存するため小腸を折りたたんで便を貯める袋(回腸嚢)を作って肛門とつなげる手術、が行われています。
 当科では潰瘍性大腸炎に対して、1992年以降116例の大腸全摘出術をおこなっており、可能な限り自然肛門を温存する方針で、再建法としてIAA(回腸Jパウチ肛門吻合)又はIACA(回腸Jパウチ肛門管吻合)を行っています。待機的な手術では一時的な人工肛門を作る2期手術を行っており、術後数カ月で人工肛門を閉鎖しています。全身状態の悪い緊急例やステロイド大量投与中の方などでは、手術の安全を確保するために切除、再建、人工肛門閉鎖を開腹による3回分割に分けて行っています。2002年からは腹腔鏡手術を導入し、現在までに56例の腹腔鏡による大腸全摘出手術を行っています。FAP同様に若年者が比較的多い良性疾患ですので、痛みなどのストレスが少なく大きな傷の残らない腹腔鏡手術のメリットは大きく、開腹手術に比べ癒着も少ないために妊孕性も維持されやすいという報告もあります。術後は、概ね5-8回程度の排便回数となり、2001年以降肛門温存術を施行し人工肛門を閉鎖した51人の患者さんでは、永久人工肛門となった方はありません。便の漏れなどの肛門排便障害が残っている患者さんはありますが、皮膚排泄ケア専門のWOCナースなどとケアを行っています。
左: 2期分割手術後:
右下腹部に人工肛門を作ります
右: 人工肛門閉鎖後
E) クローン病
 クローン病は潰瘍性大腸炎同様に、原因不明の炎症性腸疾患で小腸や大腸の粘膜に炎症を起こし、潰瘍やびらんを形成します。クローン病の治療は、腸管の安静や栄養管理のための栄養療法や各種の薬物療法など内科治療が主体となりますが、腸が狭くなって詰まってしまう狭窄(きょうさく)や腸閉塞、穴があいて膿がお腹にたまってしまう穿孔(せんこう)、皮膚や膀胱など別の組織との間に交通が出来て炎症を起こす瘻孔(ろうこう)などの合併症を生じた場合には外科治療が必要となります。クローン病は手術では完治できず、繰り返す腸の切除で栄養吸収障害を来す場合もありますので、消化管内科との緊密な連携と協議による手術適応と手術術式の決定が大切です。
 当科では、若年者が多く再手術のリスクの高いクローン病の外科治療では、整容性が高く、術後の痛みが少なく、手術後にお腹に癒着が少ない腹腔鏡手術を第一選択としています。複数回の手術の後など高度に癒着が認められる患者さんや、広範囲の腹膜炎を来した患者さんを除き、狭窄や軽度の膿瘍・瘻孔形成の患者さんでは、腹腔鏡手術での治療が可能になってきています。お腹を大きく開けなくても小さな傷から小腸を取り出し確認することは可能であり、手術中に内視鏡検査を行い病気の範囲や程度を確認することで、開腹手術と同等の手術成績です。大腸の病変や瘻孔・膿瘍形成のある場合には腸管の切除が必要となりますが、小腸の狭窄病変に対しては可能な限り腸管切除を避けて狭窄形成術を行い、将来腸が短くなって吸収障害を残す短腸症候群を来さないよう努力しています。
 これら炎症性腸疾患に関しては、消化管内科と密接な連携を行い手術適応に関して十分に議論をしたうえで、最適な治療法を選択しています。家族性大腸腺腫症に対しては、直腸下部の癌の合併などを除いて、腹腔鏡手術による大腸の全摘出と肛門温存の再建法としてIACA(回腸Jパウチ肛門管吻合)を行っています。1‐2cmの直腸粘膜が残りますが、通常は問題にならず、一時的な人工肛門は作製していません。もともと良性の疾患で若い患者さんが多いことから、より低侵襲で傷の目立たない手術が望まれています。以前は、6か所の傷と大腸を取り出し回腸Jパウチを作製する3cmの傷を右下腹部に置く腹腔鏡手術を行ってきましたが、単孔式腹腔鏡手術の手技を導入することで、最小限の創での手術を試みています。
左: 高度狭窄を伴った
小腸大腸の病変
右: 同症例の腹腔鏡下
大腸小腸切除術後


  2010年 2011年 2012年 2013年
大腸がん手術 105 122 136 156
 大腸がん原発切除 96 112 124 143
家族性大腸腺腫症* 1 7 1 2
腸管GIST 2 3 3 2
腸管悪性リンパ腫 1 2 3 3
その他の腫瘍 16 17 7 10
潰瘍性大腸炎* 4 12 8 11
クローン病 17 21 19 22
 腸管切除・狭窄形成 15 19 12 17
その他の良性・炎症疾患 69 53 67 63
小腸・大腸疾患合計 210 229 239 270
* 含む、大腸がん切除例
大腸がん切除数の推移 結腸がん切除腹腔鏡手術割合 直腸がん切除腹腔鏡手術割合
   
開腹手術
腹腔鏡手術
       
直腸がん肛門管がん
(Ra, Rb, P)
大腸がん切除後全生存割合
2002年〜2010年(5年全生存率)
大腸がん切除後再発割合
2002年〜2010年(5年再発率)
   
直腸切断・人工肛門
自然肛門温存
 
ステージI (90.9%)
ステージII (84.9%)
ステージIIIa (87.2%)
ステージIIIb (52.0%)
ステージIV (20.5%)
 
ステージI (2.2%)
ステージII (11.6%)
ステージIIIa (17.8%)
ステージIIIb (50.9%)
潰瘍性大腸炎大腸全摘例 クローン病腸管病変手術例  
     
開腹手術
腹腔鏡手術
       


 

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